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スライスソフトSlic3rのFill Pattern充填パターンの比較

9 Nov 2014 Categories: プリントアウト / Tags: fill pattern, slic3r, 充填パターン

fill-patterns充填パターン前から気になっていたslic3rのFill Pattern。今までは直線が交互になっているrectilinearしか使ったことが無かったので、今回はSlic3rにある全7種類をプリントして比較してみました。Slic3rのバージョンは1.1.7です。

Slic3rの7つの充填パターンをテスト

fill-pattern-settingスライスソフトのSlic3rには、7つの充填パターンがあります。「Print Setting」→「Infill」の中の「Fill pattern」から選べます。今まではなんとなくrectilinearしか使っていなかったけど、本当にコレが一番良いのか?他に効率的なのがあるのでは無いかと思って、全てのパターンをプリントして比較してみました。
比較するために使ったモデルは、横30mm×奥30mm×高3mmの立方体です。TopとBottomのSolid layersは0にして充填パターンが見えるようにしました。Fill density(充填密度)は20%、スピードは30mm/s、レイヤー高さは2mm、使ったフィラメントはPLAの1.75mmです。ホットエンドは190℃でプリントしました。(※最下部レイヤーの充填パターンだけどうしても他とズレてしまい見づらくなるのでプリント後に取り除きました。)

■Rectilinear

充填パターンRectilinear直線(で出来た)という意味ですね。Fill angleを45度に設定してあるので、45度傾いた格子状に充填パターンがプリントされます。レイヤーごとに同じ向きの並行したラインでプリントして、次のレイヤーでは向きが90度変わります。いつもの見慣れた充填パターンです。
Rectilinearのパターンを良く見てみると、同じ所を2レイヤーごと1回プリントするのでパターンが交差するところを支点にしてたわんだ状態になっています。これでどれ位の強度があるのか分かりませんが、上のレイヤーを支える為ならば十分だと思います。強度を必要としない場合は充填密度を低くするとフィラメントを効率的に使えると思います。
充填パターンRectilinearの軌跡

■Line

充填パターンLineこちらも直線ですが、同一レイヤーでは線が平行ではありません。どういう効果があるのかは分かりませんが、Rectilinearに比べて平行では無い分、ちょっとだけ強度が強いような気がします。いや、そんなことは無いかな?
こちらのパターンもRectilinearと同じく、同じ所を2レイヤーごとに1回プリントするのでパターンが交差するところを支点にしてたわんでいます。
充填パターンLineの軌跡

■Concentiric

充填パターンConcentiricConcentricとは”同中心”という意味です。同じ中心を持つ四角形が並んでいます。1レイヤーごとに同じパターンを充填します。見た感じはちょっと頼りが無さそうな気がします。正方形以外の形でこれを使うとどのようなパターンになるのでしょうか。いまいちこの充填パターンをどのような場面で使うのがよいのか分かりません。
Concentricのパターンは全てのレイヤーで同じパターンをプリントしているので高さはきちんとしています。
充填パターンConcentiricの軌跡

■Honeycomb

充填パターンHoneycomb蜂の巣状の充填パターンです。見た目からして強度がありそうです。1レイヤーごとに60度づつ向きを変えて全てのラインをプリントします。向きは変わるようですが3レイヤーごとに同じパターンになります。一つのレイヤーの中で同じ部分を通る箇所があって、そこは二列充填されるので強度が高くなりますね。このパターンは充填量が多そうなことと、頻繁に向きを変えるので結構音が出ます。うちみたいにマンションで夜中にこそこそとプリントする場合は音が響きそうなので注意が必要だと思います。
パターンの幅は二列でプリントされる部分があるので太く3レイヤーに1回の割合で二列になるので横から見ると太さに差があるが分かります。
充填パターンHoneycombの軌跡

■hilbertcurve(slow)

充填パターンhilbertcurveフラクタル図形の一つであるヒルベルト曲線です。曲線といっても直線の集まりです。空間を覆い尽くす空間充填曲線の一つであるので、理にかなっているパターンなんでしょうね。ただ上手くプリント出来ません。2レイヤーごとに同じパターンの繰り返しです。直線のうち半分くらいは下のレイヤーと同じ所をプリントしているように見えますが、スライスしたGコードを良く見てみると同じ所では無く、若干ズレています。
充填パターンを横から見てみると、部分的にレイヤー間に隙間が出来ている部分があります。この部分は2レイヤーに1回ごとにしかプリントしないところで、そういう部分があるとフィラメントが下と圧着しないので向きが変わった時に崩れてしまいます。なので上手くプリント出来ない結果になってしまいます。
充填パターンhilbertcurveの軌跡

■Archimedeanchords(slow)

充填パターンArchimedeanchordsArchimedean chordasアルキメデスの螺旋でしょうかね。緩やかな弧を連続して描いている充填パターンです。半径方向が60度位ずらしながら交互のレイヤーをプリントしています。弧といってもGコードでは直線の集まりなのでデーター量は若干多めでしょうか。菱型の隙間の形を見ると強度的に有利な方向と不利な方向がありそうな気がします。
こちらの充填パターンも同じ所を2レイヤーごとに1回プリントしているので、パターンが交差するところを支点にしてたわんでいます。
充填パターンarchimedeanchordsの軌跡

■Octagramspiral(slow)

充填パターンOctagramspiralOctagram Spiral直訳すると八芒星の螺旋なんだけど、八芒星のようにはなりませんでした。上から見て平行と垂直が交互に入れ替わる充填パターンです。Rectilinearと良く似ていて、45度の傾きがありません。Slic3rのマニュアルを見ると八芒星の角の部分が出てくるらしいのですが、もっとプリントモデルをもっと大きくすれば出てくるのでしょうか。
こちらの充填パターンも同じ所を2レイヤーごとに1回プリントしているので、パターンが交差するところを支点にしてたわんでいます。
充填パターンoctagramspiralの軌跡

Fill Pattern充填パターンのまとめ

3Dプリントの強度を決める一因となるスライスソフトの充填パターン。Slic3rにある7つのパターンをプリントして比較してみました。それなりにそれぞれ特徴がありますが、僕が使えそうだと思ったのは2つ。
一つはいつも使っている直線が交互に重なるRectilinearと、六角形のパターンで強度が高そうな蜂の巣状のHoneycomb。
Rectilinearは直線が続き途中で方向が変わることが無いので安定した充填パターンがプリント出来ます。Honeycombはパターンが太く多方向に向いているので強度が期待出来ます。Slic3rもこれを薦めています。ただHoneycombは充填量が多いので若干経済的では無く他の充填パターンに比べて時間もかかり音もうるさいです。この2つで、強度をあまり必要としない時はRectilinear、3Dプリンターの部品などの強度が欲しい時はHaneycombと使い分けるのがいいと思います。また充填密度を適宜変更するのも良さそうです。

3Dプリントの質を左右するスライサーソフト。今回は充填パターンをテストプリントして比較してみましたが、これからもいろいろな設定を変えてプリントして比較してみたいと思います。

・Slic3r
Slic3r

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Categories: プリントアウト / Tags: fill pattern, slic3r, 充填パターン

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